終わりかけの永遠に
そこには、驚きの光景が広がっていた。

たくさんの生徒たちが、ドアの前で騒いでいたのだ。


「えっ!?どういうこと...?」

「どうしたんですか、皆さん」


春川先生がそう尋ねると、一番前にいた男子生徒が興奮ぎみで言った。


「噂が流れてんだよ。新しく出来た軽音部に、ヤバい奴がいるって!」

「騎田千歳って、お前か!?」


先輩が騎田くんにそう言うと、「え、あ、はい」と戸惑いぎみに騎田くんは答えた。


「お前の歌声やべぇよ!すごすぎる」

「ほんとほんと!すっごくカッコよかった!」


同級生からも先輩からも歓声を浴びた騎田くんは、少しくすぐったそうな表情を浮かべていた。
< 35 / 128 >

この作品をシェア

pagetop