終わりかけの永遠に
「きゃっ!」

「きゃっ!じゃねぇよ」


振り返ると、そこには、不機嫌そうな騎田くん。


「えっ、騎田くん!?」

「...部活行くぞ」

「う、うん...」


明らかに不機嫌で、声をかけにくい。

なんか、怒ってる...?

引っ張られるままに、私は引きずられていく。
そして、部室に入ると、騎田くんは私の方を見た。


「いらねぇこと言うな」

「えっ?」

「俺のこと、ベラベラ喋ってんじゃねーよ」

「あー...ごめん。でもね、あの子とか、告白して来てた子達とか、騎田くんのこと...」

「興味ねぇんだよ。恋愛とか、馴れ合いとか。今の俺は、この軽音部の活動だけでも精一杯だ」


無理矢理軽音部に入れちゃったけど、騎田くんは確かに一生懸命音楽と向き合っている。
でも、その代わり、他の物が騎田くんにとってただの邪魔な物になっている?

いや、そうじゃないはず。
騎田くんは、ちゃんとみんなの話に答えていたし、告白の返事も、優しく断っているらしいし。

じゃあ、騎田くんは何を拒否しているんだろう。
どこか、周りの人との間に壁を作っているのは、何故なんだろう。
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