終わりかけの永遠に
それから楽器店に着き、私達は楽しく楽器を選んでいた。

騎田くんが使いやすい楽器を教えてくれたり、楽譜をみたり。
まるで少し前までのぎこちなさが嘘だったみたいに、楽しい時間だった。


「よかったね。いいギター見つかって」

「ああ。このギター、前から気になってたからな」


騎田くんも満足げに言った。


「これからもっといい演奏が出来るね!」

「そうだな」


そんな話をしていると、背後から声がした。


「あれ?もしかして、騎田千歳くん?」

「ほんとだ。騎田千歳くんじゃん。久しぶりー」


その声を聞いた途端、騎田くんの表情が変わったのが分かった。
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