終わりかけの永遠に
「騎田くん...?」


私の声は騎田くんに届かない。
騎田くんは早足で歩き出した。


「あ、待って...!」

「ねぇ、君、コイツの彼女?」


騎田くんを追いかけようとしたとき、一人の男子生徒に呼び止められた。


「えっ...?あ、いや...」

「コイツは止めといた方がいいよ。君も見捨てられちゃうかもしれないからね」


頭が混乱して、一気に氷にさらされたみたいな、そんな感覚がした。

騎田くんはそんな人じゃない。
何があったかは分からないけど、人を見捨てたりするはずない。
ましてや、殺すだなんて、ありえない。

でも、私より彼らの方が、騎田くんのことを知っている。

本当の騎田くんって、どんな人なんだろう。
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