終わりかけの永遠に
部室に戻ってから、私達は一言も言葉を交わすことが無かった。

何を話せばいいのか、どう声をかければいいのか、分からなかった。

買ったばかりのベースを眺めて、騎田くんを見て。
それを何度も繰り返していた。


「...バンドなんて...」


騎田くんが呟いた言葉が、私の耳に入った。


「バンドなんてって...どういうこと?」


私の言葉に少し驚いていた様子だったけど、騎田くんの表情はすぐに暗くなった。


「俺には、バンドなんてする資格ねぇんだよ」

「...なんで...そんなこと言うの。騎田くんには才能があるんだよ?みんなを驚かせるくらいの。だから...バンドしていいに決まって...!」

「勝手なこと言うなよ!!!」


騎田くんの叫び声に、私の体は震えた。


「何も分かってねぇくせに...簡単に言うなよ」


その言葉を残して、騎田くんは出ていってしまった。



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