終わりかけの永遠に
「なんでイジメなんて...」

「だって...コイツうじうじしててキモいんだもん」

「そうそう。嫌いなの。宮本なんて」


宮本さんは普段大人しくて、声も小さめ。
そんな宮本さんが気に食わなかったんだろう。


「宮本さん」


ずっと泣いている宮本さんに、咲良が声をかけた。


「どうして言わないの?言ってくれば助けてあげられたのに」


すると、宮本さんは泣きながら言葉を紡ぎだした。


「言えるわけ...ないですよ...もし言ったら、何をされるか分からない...私には、逃げることしか出来ない...誰も、助けてくれないし、助けてって言えないし...!」


泣きながら紡ぎ出されたその言葉は、苦しみや辛さに満ちていた。

沈黙が流れる。
すると、ガタンッと椅子を引く音がした。

その音を立てたのは、騎田くんだった。
騎田くんは逃げるように教室を出ていった。
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