終わりかけの永遠に
きっと騎田くんなら、あの場所にいる。

そう思って向かったのは、屋上。

案の定、騎田くんは屋上にいた。
あの日と同じ、赤いヘッドフォンをつけて、歌を口ずさんでいた。


「なんていう曲?」


あの日と同じ台詞を言った。
でも、騎田くんの表情は、あの日とは違った。

あの日よりもっともっと悲しげで、辛そうで。


「なんで来たんだよ」

「なんでって...」

「曲名聞きに来たんじゃねぇだろ。バンドに対して後ろ向きな発言をしたからか、それとも、教室から出ていったからか。どっちの説教だよ」

「...説教しにきたんじゃないよ。説教されにきた」

「は...?」
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