終わりかけの永遠に
濁っているようにも見えるその瞳は、私を映した。


「...Lily」


そして、呟くようにそう言った。

Lily。
聞いたことがないその曲名。


「誰の曲なの?」


私がそう聞くと、彼は少し黙り込んで、「知らないと思う」と返してきた。
有名な曲ではないらしい。
お父さんなら知っているだろうか。


「教室、行かねーの?」

「んー...馴染めなさそうだからさ」

「初対面でこんなに話しかけてくるくせに」

「それはあなたが一人でいたから話しかけやすかっただけ」


私がそう言うと、「ふーん」と興味がなさそうな返事が返ってきた。

冷たい風、良くない景色、柔らかい歌声。
私がこの高校に入って最初に話したのは、無愛想で歌が上手い、一人の男子だった。
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