終わりかけの永遠に
ふと、時計を見る。
もう15分も経っていた。

そんなに鍵が見つからないんだろうか。
でも、急かすのも悪いし、もう少し待ってもいいと思った。

それからまた、暫く待っていたけど、明はいっこうに来る気配がない。

...探すの、手伝いに行くか。

俺はそう思い、教室に向かう。
夕日が射す校舎。
廊下はオレンジ色に染まっていた。

そこまでは、いつもと同じ風景。
代わり映えのない、飽きるような景色。
でも、一つ、ちがうところがあった。

階段のすぐ下に、倒れている人影。

俺の頭は、回転することを拒否しているらしく、動かなかった。


「あ...明...?明...だよね...?」


間違いない。
短髪で、逞しい体格。

明に違いなかった。
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