終わりかけの永遠に
それから少しして、明が学校に登校してきた。


「おい、千歳!その傷どうしたんだよ!?」


俺は、言葉を返さず、孝輔の元へと向かった。


「おい、千歳!?」

「...見れば分かるでしょ?明くん。千歳は俺の方がいいんだよ」

「てめぇ...千歳に何したんだよ」

「一緒に遊んでただけだよ?それに、千歳のことを君にとやかく言われる筋合いないんだけど。千歳の親友は俺なんだからさ」

「はぁ?何言ってんだよ」

「じゃあ千歳に聞いてみればいい。千歳ー、お前の親友って、誰だっけ?」

「...孝輔、だよ。他に誰がいるの?」


その時の俺には、孝輔しか見えていなかった。
悲しそうな明の顔もぶっ壊れた俺を見て怯えるクラスメイトも、見えていない。

ただ、面白そうに笑う孝輔を見て、孝輔が嬉しそうだから、いいかーなんて。
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