終わりかけの永遠に
俺は、明の葬式に呼ばれた。

明の両親も、お兄さんも、ボロボロと涙を流していた。

明を苦しめていたくせに、と今までなら言えたんだろうけど、今の俺にはそんな資格、あるわけがなかった。


「千歳くん、かしら?」

「え...?」

「これ、明があなたに書いたみたいなの。貰ってあげて。...ごめんなさい、千歳くん。明を殺したのは、私よ。私が...明を追い詰めたのよ...」

「違うよ、母さん。俺が明にプレッシャーをかけたからだ」

「俺も...明の能力を信じてやらなかったんだ。本当、父親失格だよ」


...違う。
明が自殺したのは、俺のせいだ。
俺が明と関わったから。
俺が明を見捨てたから。
俺が明を裏切ったから。

そう言ったら、この人たちは何て言うんだろう。
俺を責めるだろうか。
死んでよって、言い寄るだろうか。
殺すだろうか。


家に帰って、部屋にこもって、明からの手紙を手に取った。

封筒には、『千歳へ』と明の字で書いてあった。
俺は恐る恐る手紙を開いた。
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