終わりかけの永遠に
『千歳へ

手紙なんか書いたことなくて、書き方なんてわかんねぇんだけど、どうしても伝えたいことを、書いとくことにした。

俺にとっては今でも、千歳は俺の心友だ。

千歳の代わりはいない。

千歳にとっても、俺がそうだといいなって思ってた。

でも、千歳に俺は見えてねぇよな。

新島孝輔ってやつに、完全に居場所奪われた。

千歳がアイツといて傷つくことは分かってた。

千歳だって、アイツと親友になりたくてなった訳じゃねぇことも分かってた。

でも、自信がなくなった。

俺は、千歳にとって心友じゃねぇって、分かった。

多分、この手紙を読む頃には、俺は死んでるんだろうから、好きなこと書くからな。

まず一つ。

新島孝輔と縁を切れ。

このままじゃ、千歳はもっと壊れる。

もう一つは、俺は千歳が悪いなんて思ってない。

俺は千歳のせいで死ぬんじゃない。

ただ、もう疲れただけ。

家のことも、学校のことも、もう疲れた。

だから、自分を責めたりすんなよ。

最後に一つ。

俺は、お前とあの歌で、デビューしたかったな。

Lilyは、俺らの曲だから、千歳にはこれからも覚えていてほしい。

お前が歌うなら、俺も歌う。

これから千歳が、幸せに笑って過ごせるように祈ってる。

じゃあ、これで。


お前のことが大好きな、お前の心友、明』
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