終わりかけの永遠に
明は、どうしてここまで、俺なんかに優しくできるんだろう。
明を裏切ったのに。
明を殺したも同然なのに。

明は、最後まで俺のことを考えてくれていた。
俺のことを、好きでいてくれた。
俺のことを、心友だと思ってくれていた。


「ごめん...明...俺...明のこと...」



俺は、何をしているんだろう。

明をここまで追い詰めて、自分は脆くて、すぐに壊れて、苦痛なんて感じなかった。

この間に、どれだけ明が苦しんだか。

家で自分がダメなヤツだと洗脳され、学校ではクラスメイトにいじめられ、心友だと言っていた俺に見捨てられ...。

絶望するに決まってる。

誰も助けてくれないこの世界に、どう希望を持てばよかったんだ。

明は、この世界に絶望した。

太陽みたいな笑顔も、逞しい口調も、パワフルな歌声も、プロ並みのギターの音色も、もう...。
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