終わりかけの永遠に
「...あんたって、本当、変わってるよな。明のこと、分かってるみてぇな言い方。でも、不思議とイラつかねぇんだよな...」


騎田くんの背中も、声も、震えていた。
泣いてるんだって、すぐに分かった。


「...明...っ」


やっと、本当の騎田くんに戻れたんだと思う。

私は、騎田くんに背を向ける。
きっと見られるのは嫌だろうから。

そう思って背を向けたのに、後ろから騎田くんが抱きついてきた。


「え...?」

「今...だけだから...っ。ちょっと、貸して...?」


子どもみたいな、見たことない騎田くん。
やっと、本当の騎田くんに会えたのかもしれない。


「...うん。いいよ」


私は騎田くんの温もりを感じながら、返事をした。


「...俺...これでいいのかな...?泣き虫で、弱くて...何にも出来ない...」

「これでいいんだよ。明くんも、そんな騎田くんが好きなんだから」
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