終わりかけの永遠に
教室の前で、騎田くんは立ち止まった。

そして、一つ深呼吸。

やっぱり、勇気がいることだ。

騎田くんは教室のドアを開けた。
教室内の視線が集まる。

それと同時に、みんな驚いていた。
騎田くんが、不安そうな表情をしていたから。


「え...アイツって...騎田、だよな?」

「なんか、さっきよりナヨナヨしてねぇ?」

「騎田くん...女々しくなった...?」

「えーなんか幻滅かもー」


騎田くんは困ったように目を泳がせている。
私は、騎田くんの肩に手を置いた。


「大丈夫。騎田くんなら、明くんの気持ちも伝えられるはず」


私がそう言うと、騎田くんは頷き、真っ直ぐな目で皆を見た。
< 93 / 128 >

この作品をシェア

pagetop