ネトに続く現の旅
「店長、どうかしたんですか?」
けろりとそう言う私と、今発覚した店の長とを、つくね男が思わず交互に二度ずつ見ていたのを、私は見逃さなかった。
「むっちゃんの彼氏?」
その風貌とは打って変わって、優しい声を発するこの男性は、うちの自慢の店長。見かけはこんなだけど、今までたくさんの美味しい物を味わってきた証の完璧な舌と、繊細な仕事には、店の誰もが一目置いていた。
「違いますよ。」
私は慌ててそう答えた。
「むっちゃんがお客さんとこんなに親しそうにしてるなんて珍しいからさ。あ、今夜はもうあがっていいよ。お客さんも少ないし。こちらのお客さんが雑炊を召し上がったら、一緒に帰っていいから。」
店の中を見回すと、つくね男のほかに、もう一組女性のグループがいるだけだった。
「はぁ、ありがとうございます。」
店長は、満足そうな表情を浮かべて、厨房へと戻っていった。
私は、腑に落ちない表情を浮かべながら、つくね男の方をちらっと見た。
つくね男は、私と目を合わせてきょとんとした顔を見せると、さっきの驚いた様子もなんのその、つくねに向かってまっしぐらとでもいったように、目をキラキラさせて皿に手を伸ばした。
やっぱり犬みたいだと思った。
けろりとそう言う私と、今発覚した店の長とを、つくね男が思わず交互に二度ずつ見ていたのを、私は見逃さなかった。
「むっちゃんの彼氏?」
その風貌とは打って変わって、優しい声を発するこの男性は、うちの自慢の店長。見かけはこんなだけど、今までたくさんの美味しい物を味わってきた証の完璧な舌と、繊細な仕事には、店の誰もが一目置いていた。
「違いますよ。」
私は慌ててそう答えた。
「むっちゃんがお客さんとこんなに親しそうにしてるなんて珍しいからさ。あ、今夜はもうあがっていいよ。お客さんも少ないし。こちらのお客さんが雑炊を召し上がったら、一緒に帰っていいから。」
店の中を見回すと、つくね男のほかに、もう一組女性のグループがいるだけだった。
「はぁ、ありがとうございます。」
店長は、満足そうな表情を浮かべて、厨房へと戻っていった。
私は、腑に落ちない表情を浮かべながら、つくね男の方をちらっと見た。
つくね男は、私と目を合わせてきょとんとした顔を見せると、さっきの驚いた様子もなんのその、つくねに向かってまっしぐらとでもいったように、目をキラキラさせて皿に手を伸ばした。
やっぱり犬みたいだと思った。