ネトに続く現の旅
「それで最終的にはアフリカに移動した。初めて行ったのはエジプトだったんだけど、カイロの空港に降り立った瞬間、目の前が一気に鮮やかに見えたんだ。きな臭いような独特の匂いですら、頭の奥の方に響いた。あぁ、俺はこういう世界を観たかったのかって思ったよ。それから、向こうでやっぱり俺と同じように旅をしているという日本人に出会ったんだ。もうすぐ四十歳になると言っていたけれど、彼は婚約者との結婚も蹴るくらいに、アフリカに魅せられてしまったと言っていた。彼とは色々な話をしたよ。彼に、アフリカを旅しているなら一度は行かなくちゃいけないところがあるよと言われて、俺は彼と別れてある国に向かったんだ。」
現の瞳は、子供のようにキラキラしていた。
現の口から次々と飛び出す言葉を前に、私はわくわくしていて、もっと早く、もっとたくさん聞かせてと思っていた。
「アンゴラという国に降り立った時に、俺は自分の目を疑ったよ。体の一部が無かったり、片目が潰れていたり、とにかくそういう人が目立つんだ。街の壁には、無数の銃弾の痕が痛々しく残っているし、道路や橋だって、破壊されている部分がたくさんあった。まるでジオラマを見ているようだったよ。日本で暮らしていたら、到底考えられない光景だった。都市部は、ほぼ地雷が撤去されているとはいっても、少しでも幹線道路を外れると、幾万もの対人地雷や対戦車地雷が、まだまだ埋められているんだ。みんな地雷から逃れようと、都市部に集まってきているから、人口密度も半端じゃないしね。俺が外国人だとわかると、みんな物凄い速さで集まってきた。服でもいい、なんでもいいから置いていってくれと。こんな小さな子供ですら、大人たちの周りを取り囲むようにして集まっていたよ。」
現の瞳は、子供のようにキラキラしていた。
現の口から次々と飛び出す言葉を前に、私はわくわくしていて、もっと早く、もっとたくさん聞かせてと思っていた。
「アンゴラという国に降り立った時に、俺は自分の目を疑ったよ。体の一部が無かったり、片目が潰れていたり、とにかくそういう人が目立つんだ。街の壁には、無数の銃弾の痕が痛々しく残っているし、道路や橋だって、破壊されている部分がたくさんあった。まるでジオラマを見ているようだったよ。日本で暮らしていたら、到底考えられない光景だった。都市部は、ほぼ地雷が撤去されているとはいっても、少しでも幹線道路を外れると、幾万もの対人地雷や対戦車地雷が、まだまだ埋められているんだ。みんな地雷から逃れようと、都市部に集まってきているから、人口密度も半端じゃないしね。俺が外国人だとわかると、みんな物凄い速さで集まってきた。服でもいい、なんでもいいから置いていってくれと。こんな小さな子供ですら、大人たちの周りを取り囲むようにして集まっていたよ。」