ネトに続く現の旅
「はい、どうぞ。」
私はその男が読み上げる物を順番に伝票に書き込んでいった。
最後に、私がもう一度全ての注文の内容を繰り返して読み上げたと同時に、その眼鏡の男のとなりに座る、この暑い店内でもニット帽を被ったままの今時風のまた別の男が、すました顔をして言った。
「お姉さんいくつ?」
年や彼氏のいるいないを聞かれることなんてしょっちゅうなので、私は、「二十二歳です。」
と、マニュアルどおりとでもいったような機械的な笑顔を作って、あくまで淡白にそう答えた。
「へぇ~大人っぽいから、もうちょっと上かと思った。可愛いっすね。」
にやにやしてそう言う男を前に、私は正直うんざりした。
どうして男という生き物は、お酒が入るとそういうことを、いとも簡単に口にするのか。
挨拶みたいなものなのかもしれないけれど、それならそれで、もっと気の利いたことが言えないのだろうか。
なんていうか、センスが感じられない。
私は再び偽物の笑顔を作ると、もうひとつ用意している、自分の中のマニュアルの言葉を言おうとした。
ところがその時、今まで黙々とメニューとにらめっこをしていた一番通路側に座ているひとりの男が、口を開いた。
私はその男が読み上げる物を順番に伝票に書き込んでいった。
最後に、私がもう一度全ての注文の内容を繰り返して読み上げたと同時に、その眼鏡の男のとなりに座る、この暑い店内でもニット帽を被ったままの今時風のまた別の男が、すました顔をして言った。
「お姉さんいくつ?」
年や彼氏のいるいないを聞かれることなんてしょっちゅうなので、私は、「二十二歳です。」
と、マニュアルどおりとでもいったような機械的な笑顔を作って、あくまで淡白にそう答えた。
「へぇ~大人っぽいから、もうちょっと上かと思った。可愛いっすね。」
にやにやしてそう言う男を前に、私は正直うんざりした。
どうして男という生き物は、お酒が入るとそういうことを、いとも簡単に口にするのか。
挨拶みたいなものなのかもしれないけれど、それならそれで、もっと気の利いたことが言えないのだろうか。
なんていうか、センスが感じられない。
私は再び偽物の笑顔を作ると、もうひとつ用意している、自分の中のマニュアルの言葉を言おうとした。
ところがその時、今まで黙々とメニューとにらめっこをしていた一番通路側に座ているひとりの男が、口を開いた。