ネトに続く現の旅
久しぶりに高校時代からの友人の珠子と会った。

彼女と初めて会話をしたのは、高校の部活動説明会の会場だった。偶然隣同士の席だった私たちは、司会をしている女の先輩のスカートの丈がどうしても気になって、部活の紹介なんかそっちのけで、一時間半ほどの間、ずっとそんな話で盛り上がっていた。
お互い群れるのが嫌いな性格が合ったのか、私たちは急激に仲良くなっていった。

部活で仲間はずれにされても、彼氏に振られても、珠子がいればなんの問題も無かった。
会っている間中、尽きることなくぺちゃくちゃとおしゃべりをしている時もあれば、ふたりでそれぞれ好きな本を読んで過ごしたり、どちらかの家でテストの勉強をしたりと、何も話さずにいても、珠子とならそういう時間も全てが楽しかった。

そんな関係が今でもずっと続いている。

そんな珠子も、高校を卒業したと同時に妊娠して、今では二人の子供のお母さんだ。
地方に嫁いでいってしまった彼女と会うのは、なかなか困難だったけれど、会うのがどれだけ久しぶりだったとしても、ひとたび話をし始めて二分も経てば、一瞬であの頃の空気が流れるのだから、まったく心友というのは不思議なものだ。

まだまだやんちゃな二人を連れて、久しぶりにうちのソファに腰を掛けた彼女は、多少疲れては見えるものの、相変わらずのきめ細かくて真っ白いお餅のような肌をしていた。
毎日慌ただしくてと苦笑しながらも、目を細めて子供たちを見守っている彼女からは、何か漠然とした大きくて温かいものを感じた。

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