ネトに続く現の旅
初めて現とキスをしたのは、出会ってから半年ほど経った、冬の夕暮れだった。
クリスマスも終わって、人々は急に忙しなく、新しい年を迎える準備に追われていた。
私たちは、現のアパートのすぐ近くの、誰もいない公園のベンチで、学校帰りに寄り道をしている中学生のカップルのように寄り添いながら、遠くまで聞こえるカンカンカンという乾いた踏み切りの音に耳を澄ませていた。
「寒いね。」
「もう今年も終わっちゃうね。」
「そうだね。」
どちらからともなくこんな意味の無い会話を繰り返していた。
段々と暮れていく日も、ふたりの間に流れる甘酸っぱい空気も、なんだか全てがくすぐったくて、私は、“本当に中学生の頃にでも戻ったようだわ”と、ずっとドキドキしていた。
こんなやり取りを一時間ほど繰り返した頃だろうか。
現が私の耳元で何かを言った。
「今なんて言ったの?」
よく聞こえなかったので私がそう言うと、現は自分の足元を見つめて、「うん」と小さく頷いた。
そして、意を決したように私の体に腕を伸ばした。
クリスマスも終わって、人々は急に忙しなく、新しい年を迎える準備に追われていた。
私たちは、現のアパートのすぐ近くの、誰もいない公園のベンチで、学校帰りに寄り道をしている中学生のカップルのように寄り添いながら、遠くまで聞こえるカンカンカンという乾いた踏み切りの音に耳を澄ませていた。
「寒いね。」
「もう今年も終わっちゃうね。」
「そうだね。」
どちらからともなくこんな意味の無い会話を繰り返していた。
段々と暮れていく日も、ふたりの間に流れる甘酸っぱい空気も、なんだか全てがくすぐったくて、私は、“本当に中学生の頃にでも戻ったようだわ”と、ずっとドキドキしていた。
こんなやり取りを一時間ほど繰り返した頃だろうか。
現が私の耳元で何かを言った。
「今なんて言ったの?」
よく聞こえなかったので私がそう言うと、現は自分の足元を見つめて、「うん」と小さく頷いた。
そして、意を決したように私の体に腕を伸ばした。