ネトに続く現の旅
現の写真は、本当に真っ直ぐで迷いが無くて、素人の私が見ても、確かに光るものがあった。
現がシャッターを押したその時の、情景や周りの音や、被写体となったその者の心の中までもが、今にも聞こえてきそうな写真。

現がカメラを構えると、レンズのフィルター越しに、本当の自分が見られてしまうような気がして怖かったのだ。




そうして寒い冬が終わり、また暖かい季節が巡ってきて、どんどんと太陽がたかくなっていって…
気がつけば、現と出逢ってから一年が経っていた。

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