ネトに続く現の旅
「実は、アンゴラに行かないかって誘われているんだ。」

いつものように、現の部屋で並んでテレビを見ている時だった。

「アンゴラって、前に話をしてくれた国のこと?」

ハーゲンダッツの抹茶味を食べながら、私は少し驚いてそう答えた。

「そう。俺が提携してる雑誌社が、アフリカにチームを持っていてね。この間、そこのリーダーと話をする機会があったんだ。その人達はテレビ放送専門の人達だから、俺とはまた少し職種は違うんだけど、アンゴラの話をしたら、戦場専門の奴らもいるから、一緒に来ないかって言ってくれて。」

“あぁ、私たちに待っていたのはこのことだったのか”
と私はすぐに思った。

「無理にそんな危険なところに行く必要があるの?」

「そう言われるとなんとも言えないんだけど、でもそういう死と隣り合わせのギリギリの所にいる人達こそ、多くの人に見てもらわなくてはいけないような気がするんだ。」

あの日、目をキラキラさせながら、私にアフリカでの話を永遠とした現の姿を思い出した。
うん、そうだね。それが現の本当にやりたいことだったよね。
私はあの姿を見させられたから、現のことをこんなにも好きになったんだ。
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