ネトに続く現の旅
不思議なことに、現の口からその話を聞いてから、結婚していると嘘をついていた私の後悔の念は消えて、代わりに現のアンゴラ行きという事実を、一緒に抱えていくんだという、まったく別の感覚へと変わっていった。
現もまた、私に対する罪悪感が消えて、その代わりに重たい自分の夢を、背中にがっしり背負うことだけに夢中になっていった。
それは、押し出されたところてんのように、詰め込まれた物が新しい別の物で押し出されて、するりと水の中に落ちていくような奇妙な感覚だった。
そしてここでポイントは、それがパスタでは無くて、あくまでところてんというところだ。
私の胸の中にあった物が、少しもこびりつかずに綺麗さっぱり抜け出てしまった。
総取り替えだ。
そんな風に、いつの間にかふたりの間にあった壁が、違うものにすり替わっていったのが、きもちが良いほどによくわかった。
そんなことが、ふたり同じタイミングでやってきたものだから、今までせき止めようとお互いが必死になっていた物が、一気に解き放たれていくのを、ものすごく強く感じた。
私たちは初めてお互いを求め合うようになった。
今時可笑しいと笑われるかもしれないけれど、私たちは今まで一年間もの間、本当にキスまでしかしていなかったのだ。
けれど、現からアンゴラ行きの話を聞いてから、もしこのままの状態で現が何年も日本に帰ってこないのだとしたら、私は絶対に後悔すると思った。
現の全てを知りたかったし、私の全ても現に知ってもらいたかった。
遠い異国の地で恐怖に怯えて眠れない夜には、私の裸を思い出してほしかった。
現もまた、私に対する罪悪感が消えて、その代わりに重たい自分の夢を、背中にがっしり背負うことだけに夢中になっていった。
それは、押し出されたところてんのように、詰め込まれた物が新しい別の物で押し出されて、するりと水の中に落ちていくような奇妙な感覚だった。
そしてここでポイントは、それがパスタでは無くて、あくまでところてんというところだ。
私の胸の中にあった物が、少しもこびりつかずに綺麗さっぱり抜け出てしまった。
総取り替えだ。
そんな風に、いつの間にかふたりの間にあった壁が、違うものにすり替わっていったのが、きもちが良いほどによくわかった。
そんなことが、ふたり同じタイミングでやってきたものだから、今までせき止めようとお互いが必死になっていた物が、一気に解き放たれていくのを、ものすごく強く感じた。
私たちは初めてお互いを求め合うようになった。
今時可笑しいと笑われるかもしれないけれど、私たちは今まで一年間もの間、本当にキスまでしかしていなかったのだ。
けれど、現からアンゴラ行きの話を聞いてから、もしこのままの状態で現が何年も日本に帰ってこないのだとしたら、私は絶対に後悔すると思った。
現の全てを知りたかったし、私の全ても現に知ってもらいたかった。
遠い異国の地で恐怖に怯えて眠れない夜には、私の裸を思い出してほしかった。