ネトに続く現の旅
「うん。だから俺も全てを話したいと思ったんだ。しばらく会えなくなるけど、思い出だけでもずっと繋がっていられたら幸せだな。」

「同じようなことを、この間父にも言われたわ。」

一気に重たくなった瞼のままでもう一度私は笑った。
決して無理をしていたわけではなかった。
出会った時と何も変わらない、現の低くて真っ直ぐな声が、いつまでも耳に響いていた。




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