ドジっ子の作ったオムライス


その姿はまるで子供のように

涙を拭くのも忘れて

一生懸命泣いていた。






「だっ…だってぇえ…ひっく…」




今までため込んでいた物が

涙と一緒に出て行くみたいに。




「落ち着いてから話しましょう」






スーパーのときみたいに

先輩の背中をさする。





「…ひっく……前ね…ひっく…
ヒ、ヒカル‥と、付き合っててね…っ…
花、っ…ヒカルのこと…ひっく…
好き…っ…だった、けど…
ヒカルは…っ……ヒカルは…っ…」




僕には背中をさすって
だまって話聞くことしかできない。


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