病的に両価的

リリース

『リリース』


反射する水紋
障子を泳ぐ魚の群れを
尖った爪で何度もなぞる

彼らだけは知っているんだ
私も知らない秘密のすべてを

溺れちゃったの?
何処へ行ったの?
畳の上に髪を散らして問いかける

甘い偽りに誠を交えて
君は
見えもしないものばかり愛してた

放たれる日が来るのなら
じっとその日を待ってみようか
君が隠した仕掛けの答えを
探しながら待っていようか

遠い記憶をさまよう私は
ゆらり
小さく水面を揺らす

硝子の中の金魚みたいに

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