病的に両価的

帯電少年

『帯電少年』


渇いた身体と煤けた瞳
それを潤す術さえ無くて

金属製の街の端
ひとりの僕は路頭に迷う

伸びきった袖をさらに伸ばして
ぽつり静かに浮遊する

傷付くことが怖いんじゃない

傷付くことを知ったなら
今よりずっと臆病になるって
そう聞いたから

誰かの手を取る夢を見ながら
何時も手のひらを隠してた

触れてみたいよ
降りてみたいよ

そんな願望と衝動と
自己防衛が摩擦する日々

きっと十分臆病なのに
僕は気付かないふりをして

帯電したまま生きていく

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