身長差43センチのふたり。
――高遠 Side――
『で、どうだったんだよ?』
昼休み、俺は久松と食堂で昼飯を食べていた。鳩村は今、部活の顧問に呼び出しをくらったために不在。
目の前で学食メニューのチキンカツ定食に食らいつきながらニヤついている久松に気持ち悪さを覚える。
「どうって?」
『金曜日だよ!…小日向、来たんだろ?』
「っ…」
久松の問いかけに、今まで動いていた箸を持つ右手がピタリと止まった。
っ…そこ聞くのかよ。…っつーか、
「やっぱり、お前ら来なかったのわざとかよ。」
『当たり前だろ。気の利く親友に感謝だな!』
「チッ…」
小日向が1人で来た時から、コイツらの策略だろうなとは薄々気づいてはいたが。
コイツらの浅ましすぎる策略にまんまと引っ掛かっている小日向を不憫に思う。
反射的に舌打ちをしてしまったのも、今は許してほしい。
『小日向に看病でもしてもらったか?』
「……。」
言いたくねぇ。言ったら絶対にからかわれる。
黙然と静かな俺の反応を見た久松は、さらにニヤケ顔に拍車をかけ、口元はもうゆるっゆるだった。