身長差43センチのふたり。
クラスメイト以上友達未満か。
それとも友達以上か恋人未満か。
とにかく、はっきりしない俺と小日向の関係。
『ボケっとしてっと、奪られちまうぞ。』
ドクンッ、と心臓の拍動がバカデカく鳴り響いた。
考えたくもない嫌な妄想が、脳裏を横切る。
「っ、お前…誰か知ってんの?」
『あ?』
「……小日向を狙ってる奴。」
『さぁ?知らねーな。』
「っ…おい!」
何の証拠もなく爆弾発言を投下した久松に苛立ちが募る。
いねーんじゃねぇかよっ!
一瞬でもドキリとしてしまった俺のピュアなハートを返せ、と思いつつも、小日向を狙う奴はいないことに安堵する俺。
『…でも、これからずっと、小日向を好きになるヤツがいないとは言えないだろ。』
「っ……」
ほっとしている俺に、久松は追い打ちを止めることなくそう言った。