身長差43センチのふたり。
『離れられる前に、しっかり手握っとけよ。』
「……なんだよ、久松らしくねーな。」
意味深な言葉を、溜め息とともに吐きだした久松を、眉間に皺を寄せて見つめる。
そこには、今まで見たこともなく難しい顔をした久松がいた。
『……素直じゃないのも可愛いけどさ、それが長く続くと苛立ちに変わるんだよ。』
「……は?」
『まぁ、こっちの話。』
いつになく話を濁す久松に、俺は不満を隠せないままにご飯の最後の一口を口に入れた。
なんだよ、それ。自分で振ってきたクセに。
空になった弁当箱を片付けて、風呂敷に包んでいると、また久松が口を開いた。
『考えてみれば?』
「…何が?」
『告白。』
「……またその話に戻るのかよ。」
意外としつこい久松に、最早俺は呆れて苦笑いしかできない。
どんだけ俺の恋路に茶々入れる気だよ。