身長差43センチのふたり。
「~~♪~~~♪♪」
『なんか、いつになくご機嫌だね。』
翌日の放課後。
文化祭準備のために残っていた私は、昨日の衣装づくりの続きをしていた。
布をちくちく縫いながら鼻歌を歌っていた私は、華ちゃんの言う通りご機嫌である。
「あ、分かるー?」
『うん、雛乃は分かりやすいよね。』
「そうかなぁー?」
自分ではあまり分からないなー、と思いつつ、また鼻歌を歌い始める私。
昨日の夜、お母さんを中心とした誕生日パーティーはとても盛り上がって、用意したプレゼントも喜んでもらって、とても幸せな時間を過ごしたからか、翌日も幸せオーラが止まらなかったみたいだ。
『ねぇねぇ、雛乃。』
「なぁに?」
今日はいつになくソワソワしている華ちゃんから、針を持つ右手の裾を引っ張られた。
とりあえず作業する手を止めて、隣にいる華ちゃんに顔を向けた。
『高遠と話してみたいなー、とは思わない?』
「……え?」
可愛い笑顔を張り付けた華ちゃんが、突然そんなことを言い出しました。