身長差43センチのふたり。




「~~♪~~~♪♪」

『なんか、いつになくご機嫌だね。』


翌日の放課後。

文化祭準備のために残っていた私は、昨日の衣装づくりの続きをしていた。

布をちくちく縫いながら鼻歌を歌っていた私は、華ちゃんの言う通りご機嫌である。


「あ、分かるー?」

『うん、雛乃は分かりやすいよね。』

「そうかなぁー?」


自分ではあまり分からないなー、と思いつつ、また鼻歌を歌い始める私。

昨日の夜、お母さんを中心とした誕生日パーティーはとても盛り上がって、用意したプレゼントも喜んでもらって、とても幸せな時間を過ごしたからか、翌日も幸せオーラが止まらなかったみたいだ。


『ねぇねぇ、雛乃。』

「なぁに?」


今日はいつになくソワソワしている華ちゃんから、針を持つ右手の裾を引っ張られた。

とりあえず作業する手を止めて、隣にいる華ちゃんに顔を向けた。


『高遠と話してみたいなー、とは思わない?』

「……え?」


可愛い笑顔を張り付けた華ちゃんが、突然そんなことを言い出しました。



< 14 / 384 >

この作品をシェア

pagetop