身長差43センチのふたり。



「私で、いいの…っ?」

『雛乃がいいんだ。』

「っ……」


今、私の名前…っ!!

好きな人に名前を呼ばれた、ただそれだけなのに、黒く染まっていた私の心は一瞬で晴れていく。

好きな人と結ばれたことが、こんなにも幸せに感じるなんて、今まで知らなかった。


「わっ、私も…っ、高遠くんのことが…すっ、すす…っ」

『?』


自分の気持ちを伝えてくれた高遠くんに、私も自分の思いを伝えたい。

"好き"の2文字を口で紡ぐのが、こんなにも難しいなんて。

でも、伝えなくちゃ。この想いを。


「大好き…っ!!」

『っ…!』


勇気を振り絞って出た言葉は、思ってたのよりちょっと違うけど。

これも本心なんだからしょうがない。

好きな人に包まれるこの幸せを全身で噛みしめながら、私は彼の背中に腕を回した。



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