身長差43センチのふたり。
『いつも雛乃ってば、遠くから見てるだけで、高遠の近くには行かないじゃない?高遠と喋ってみたいなーとは、思わないの?』
「うーん…。まぁ、確かにそうなんだけどー…。」
華ちゃんの言っていることは、よく分かる。
でも、でもねー…。
私には、どうしても高遠くんに近づけない理由があるのだ。
「……ビビっちゃうんだよねぇー…。」
『は?』
私の気まずそうな小声に、華ちゃんは眉間に皺を寄せた。
とても言いにくいからか、声のボリュームはもっと小さくなっていく。
「高遠くんって大きいじゃん?だからさぁ、近くにいられると…威圧感があると言うか、迫力がありすぎるといいますか……ちょっと、苦手カナ…?」
『…。アンタって、つくづく変な子ね。』
「う。」
隣から、冷たい視線が突き刺さるのを全身で感じる。
分かってるよー、私が変なことくらい。
近くじゃ怖く感じるけど、遠くからなら大丈夫だし。
何より、気になることは事実だけど、高遠くんと親密になりたいとか、そんなんじゃないんだもん。