身長差43センチのふたり。
試しにチラッ、と前方の黒板前で文化祭準備をしている高遠くんに目線を向けると、なぜかバチリと視線がぶつかった。
ヤバ、と思った瞬間に外した視線。
……ぁあ、高遠くんに対する申し訳ない気持ちが募ってくよ…。
『まぁ、雛乃は小さいし、余計に高遠のこと怖いと感じちゃうかもしれないけどさ。何も知らずにビビられてる高遠ってどうよ?』
「……どうって…。」
そんなこと言われましても。
申し訳ないとは思うけど、本能に逆らえないというのが本音だ。
上から見下げられてる感じが……何とも言えない恐怖を感じさせるのだから。
『案外、高遠怖くないかもよ?』
「いや、見つめられただけで心臓バクバクもんだよ…。」
実際、さっき目があった時の私の心臓、止まるかと思うほど凄かったし。
あれが何秒も続くのかと思うと耐えられない。
『そのバクバクは、恐怖から来るものなのかねぇ…?』
「え…?」
『いーや、何でも?』
そう言って頬を膨らませた華ちゃんに、私は首をかしげる。
何でもないって、ウソでしょ。
華ちゃんだって、分かりやすいと思った。