身長差43センチのふたり。



数分後、華ちゃんの言葉に頷く久松くんに手をヒラヒラと振った華ちゃんは、ようやく私の隣に戻ってきた。


「何話してたの?」

『んー?交渉が成立したの♪』

「・・・?」


同じ日本語を話しているはずなのに、何も理解できないのは私だけでしょうか。

華ちゃんって、アレだよね。事を噛み砕いて話そうとする意思がないよね。

それにしても、作業に戻った華ちゃんは満足そうだ。

今度は華ちゃんも鼻歌を歌いだしそうな雰囲気。

………まぁ、華ちゃんがイイなら、イイけど。

なんだか納得しきれない部分が多いけれど、全てを無理やり飲み込んで、私も作業を再開しようと縫いかけの布を手にした時、隣からあっ、という声が。


「…どうしたの?指、切っちゃった?」

『違う違う。』

「…そう。」


縫い針でケガをしたわけじゃないと分かったので、縫い針を手にして布にプツッと刺した時、また華ちゃんから名前を呼ばれた。


「……何?」

『明日、暇?』


――明日?

脳内のスケジュール帳を頭の隅から引っ張り出す。

明日って、土曜日だよね。

何もない…はず。



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