身長差43センチのふたり。
「――うわぁ…っ!」
上京して初めての水族館。
目の前に広がる幻想的な海の世界に、感嘆の声を漏らさずにはいられない。
「千尋くんっ、クラゲ!可愛い~っ」
水族館の入り口で、ブルーのLEDライトに照らされたクラゲたちに歓迎されて、私は千尋くんの腕を引っ張る。
千尋くんが連れてきてくれた水族館は、大人向けの水族館のようで、来客も子供より大人のカップルの方が多かった。
水族館内は暗転で水槽にライトが当たっており、大人な雰囲気が流れている。
「クラゲにもいっぱい種類があるっちゃね~!ミズクラゲかぁ~」
『こっちに大きいのがいるよ。』
「あっ、本当やんっ!」
私はクラゲの世界に釘付け。
水槽の前に貼られたクラゲを紹介しているテロップを読みつつも、しっかりと千尋くんの手は離さなかった。