身長差43センチのふたり。
――千尋 Side――
クリスマス。
恋人たちが幸せに包まれる日。
『千尋くん、千尋くん!ペンギンがいるよっ!』
小さな手で俺をペンギンのいるスペースへ懸命に引っ張る雛乃を見下ろしながら、俺は微笑む。
可愛い…っ!とガラス越しに飼育員に餌をもらっているペンギンをじーっと見つめて心の声を漏らす雛乃。
水族館に行きたいと言われ、ネットで真剣に探した甲斐があった。
まるで小さな子供のように澄んだ瞳をキラキラさせている雛乃を見て、俺も嬉しくなる。
『……千尋くん?』
「ん?」
可愛い姿を見せるペンギンそっちのけで雛乃を見つめていると、不安の色を浮かべた雛乃が俺を見上げた。
『もしかして…ペンギン嫌いなの?』
「えっ?」