身長差43センチのふたり。
どう思ったら俺がペンギン嫌いなんていう考えに行きつくのだろうか?
いきなり可笑しなことを言う雛乃に、何で?と素直に疑問をぶつけた。
『…だって、さっきからペンギン見てないみたいだし…。』
聞いてみれば些細なこと。
俺から目を逸らし口を尖らせてボソッと口にした雛乃を前に、俺はフッ、と笑ってしまう。
『なっ、何笑ってるの…!?』
「くくっ、…ごめんごめん。」
今度は顔を真っ赤にさせて俺を見上げる雛乃に、ますます笑いが止められない。
本人はこれで睨んでいるつもりなんだろうけど、上目遣いにしか見えなくて、怖いというよりむしろ可愛い。
雛乃と一緒にいると、本当に飽きない。
「だってさ、ペンギンより可愛いのがいるんだから仕方ないだろ?」
『えっ!?どこどこっ!?』
素直に思っていたことを言うと、雛乃は辺りをキョロキョロと見渡す。
さっきまで怒ってたくせに、もうそのことは気にしてないらしい。
つい面白くなって、ここ、と雛乃を指さした。
『えっ…?』
俺の指先を見た雛乃は、目をパチクリとさせて固まった。
「だから、可愛いのって雛乃のことなんだけど。」
『~~~っ!///』
やっと冷ましたはずの頬を一気に赤く染めた雛乃は、千尋くんの意地悪!と言ってぷいっと顔をそむけてしまった。