身長差43センチのふたり。




『騙されたと思って、ね?行こうよ、映画。』

「うー…。」

『明日がダメでも、いつかは行くんだからね。』


マジですか。

どうやら華ちゃんは本気らしい。

私の恐怖症治したって、何の意味もないと思うけど…。

逃げられない私には、もう頷くしか道はなかった。


「分かった…行く…。」

『よし♪詳しいことは、またメールするわ♪』

「…はーい…。」


なんだか気は進まないけれど。

目の前の満足そうな華ちゃんと、結末が気になる映画への期待によって、高遠くんたちとの映画鑑賞に前向きな気持ちを少しだけ持つ。


「今度、あんぱん奢ってよね。」

『はいはい。さっさとコレ終わらせよー!』


ノリノリの華ちゃんを見て、一番明日を楽しみにしているのは華ちゃんではないかと思う私だった。



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