身長差43センチのふたり。



――もしかして、3年前のあの時も、その前からだって、もしかしたら朱莉は…、

和樹のことを、


好きだった――?


『アイツさ、雛乃が東京行ってからものすんっごく荒れとってね。あー、和樹には私しか気にかけてあげる人がおらんのかなーって思ったら…、なんかちょっと和樹のことが気になっちゃって。』

「……。」


知らなかった。

和樹が荒れてたことも。

そんな和樹を、朱莉が懸命に支えていたことも。

――そういえば、朱莉と和樹は中学で知り合ったはずなのに、妙に馬が合ってて、まるで昔から知ってるみたいに仲良しだったっけ。


『実を言うとね、雛乃に会うの、ちょっと怖かったっちゃんね~。』

「えっ…?」


怖い?朱莉が?


『だって、雛乃がまだ和樹のこと好きやったら、私の勝ち目完全に無くなるんやもん。和樹は私が雛乃と会うって知ったら、あの時のこと謝ってってしつこいし、雛乃のことしか口に出さなくなるしさぁ~。』


なんでもないように話す朱莉の瞳には、うっすら涙が浮かんでて。

私は何も言えなかった。



< 215 / 384 >

この作品をシェア

pagetop