身長差43センチのふたり。
――もしかして、3年前のあの時も、その前からだって、もしかしたら朱莉は…、
和樹のことを、
好きだった――?
『アイツさ、雛乃が東京行ってからものすんっごく荒れとってね。あー、和樹には私しか気にかけてあげる人がおらんのかなーって思ったら…、なんかちょっと和樹のことが気になっちゃって。』
「……。」
知らなかった。
和樹が荒れてたことも。
そんな和樹を、朱莉が懸命に支えていたことも。
――そういえば、朱莉と和樹は中学で知り合ったはずなのに、妙に馬が合ってて、まるで昔から知ってるみたいに仲良しだったっけ。
『実を言うとね、雛乃に会うの、ちょっと怖かったっちゃんね~。』
「えっ…?」
怖い?朱莉が?
『だって、雛乃がまだ和樹のこと好きやったら、私の勝ち目完全に無くなるんやもん。和樹は私が雛乃と会うって知ったら、あの時のこと謝ってってしつこいし、雛乃のことしか口に出さなくなるしさぁ~。』
なんでもないように話す朱莉の瞳には、うっすら涙が浮かんでて。
私は何も言えなかった。