身長差43センチのふたり。
糖度100%のバレンタイン
――翌日。
『雛乃ーーっ!』
久しぶりに千尋くんと一緒に学校に登校すると、教室に入った瞬間に華ちゃんに抱き着かれた。
「おはよ、華ちゃん。」
『心配したんだからぁーっ』
「ごめんごめん。」
抱き着いたままシクシクと泣き真似をする華ちゃんの頭を、背伸びをしてよしよしとなでる。
千尋くんは空気を読んでソッと私たちから離れて、久松くんのいる席へ向かって行った。
気を遣ってくれたんだ、と思うと、心がじんわりと温かくなる。
『風邪は?治ったの?』
「うん、もう大丈夫だよ。」
一応再発しないようにマスクをして、お薬も持ってきてるけど、もう大丈夫だと思う。
そっか、とやっと笑顔を見せてくれた華ちゃんに、私も笑顔を返した。
『高遠と仲直りしたのね。』
「うんっ、華ちゃんのおかげだよ。ありがとう。」
『えー、なんのことぉ~?』
私から離れた華ちゃんは分かりやすく目を逸らして口を尖らせてとぼける。
今更知らない振りしたって意味ないのにね?