身長差43センチのふたり。
「?……??」
何が面白かったのだろうか。
自己紹介もちょっと噛んだとこ?それとも、思いっきり声を大きく出しちゃったとこ?それとも、必死感を出しすぎた?コミュ障と思って笑った?
――思い当たる節が多すぎて、笑えない。
さーっと血の気が抜けて青ざめる私の目の前で、笑い続けていた高遠くんは、あー面白い、と言ってやっと笑いをこらえてくれた。
『知ってるよ、小日向の名前くらい。』
「え?……あ、そっか。新学期の時に自己紹介したもんね?」
『プッ…くくっ』
え、そして何でそこで笑う。
笑いをこらえたと思っていた高遠くんがまた笑い出したのを見て、高遠くんの笑いのツボって浅いんだと気付く。
っていうか――…
いつも遠くからしか見たことのなかった高遠くんの笑顔。
いつものやる気のなさそうな、ちょっとダルそうな高遠くんがクシャッと笑うその笑顔は、結構レアショットなのである。
だからか、ついつい高遠くんの爆笑姿をじーっと見てしまっていた。