身長差43センチのふたり。
「明日、またチョコ持ってくる…っ!」
渡す相手を間違ったチョコを千尋くんから取り返そうと、千尋くんが持っているチョコの袋を掴むと、グッとチョコを持っている千尋くんの手に力が加えられた。
おかげでチョコの袋が私に帰ってくることはなく、千尋くんが持ったまま。
「千尋くん…?」
『いい。』
「え…?」
何がいいのか分からなくて首を傾げていると、千尋くんは袋からチョコを取り出してまた口の中に放り込んだ。
「そんな無理して食べなくてもっ――ッ!?」
明日、ちゃんと千尋くんに用意していたチョコを持ってくるのに、という言葉は紡ぐことはできなかった。
「ん――…っ!」
触れた唇。
千尋くんとキスしてること自体心臓が破裂するくらいドキドキするのに、カカオの苦みを帯びた千尋くんの熱い舌が入ってきて、私は身体を震わせた。
千尋くんの濃厚なキスは、私の身体も心も溶かしていった。