身長差43センチのふたり。
『ん?何?』
「っ!」
マジマジと見つめてしまっていた私に気付いた高遠くんが向けた笑顔。
私だけに向けられた笑顔。
きゅぅぅぅん…っ
――え、何コレ。何、この少女漫画のヒロインな感じ。
さっきまで青ざめていた私はどこへやら、今の私は反対に頬をかかーっと赤く染め、とても血の気にあふれている。
『高遠 千尋。』
「え…っ?」
『こちらこそよろしく。』
レア付きの笑顔に、頭に置かれた大きな手。
おおう、頭をなでられてる…!
ここに来るまでのビビっていた私の姿は、最早どこにもいなかった。
私、早くも高遠恐怖症、完治したようです。