身長差43センチのふたり。



高遠くんの笑顔の横顔ショットに、胸の奥が高鳴るのを感じる。


「華ちゃんの言う高遠恐怖症は治ったみたい。」

『あら。』


今日の朝、感じたことを素直に華ちゃんに打ち明ける。

私の言葉に、華ちゃんは驚いたようで、目を見開いて口まで開けている。


『意外にあっさり…ね?』

「うん。高遠くん、いい人だよね。」


華ちゃんに笑顔を向ける。

話してみれば、高遠くんはとてもいい人で。

映画館に行くときもさりげなく車道側にいてくれたし、映画館に入ったときも飲み物を買ってきたりしてくれて、とても気の利く人柄の良い人。

私が高遠くんに好印象を抱くのに、そんなに時間はかからなかった。


『んー…もう一押し、ってとこかな。』

「?何が?」

『ううん!何でもないっ』


また意味深な発言をした華ちゃんに疑問が残るけれど、笑顔で何でも言われればそれ以上何も言えない。

映画の話題に戻そうと口を開くと、前方から久松くんの『飯、行こうぜ。』の声に、話題は今日のお昼ご飯に移った。



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