身長差43センチのふたり。
過去と元カレ
ちょっぴりドキドキハラハラして、和やかなホワイトデーを過ごした私と千尋くん。
未だにキス止まりだけど、(華ちゃんに急かされる毎日だけど、)順調に愛をはぐくんでいた私達は、春休みに入って2人でホワイトデーに行けなかった動物園デートをした。
「パンダの尻尾、白かったねーっ!てっきり黒だと思ってたからびっくりしちゃった~!」
動物園デートの帰り道。
私は隣を歩く千尋くんと手を繋ぎながら、未だ冷めないパンダへの好奇心を熱弁していた。
可愛かったな~!あの見てくれで竹をバリバリ食べてるのがちょっと迫力ありすぎてたけど…。
『めちゃくちゃノソノソしてたけどな。』
「ふふっ、そうゆうところは千尋くんとパンダって似てるね!」
『何だと~?』
普段ボーっとしてるところなんて、千尋くんとパンダはそっくりさんだ。
千尋くんとパンダを重ねて笑っていると、千尋くんの大きな手が私に伸びてきて、むにっとほっぺたを摘ままれた。
「いひゃいっ…!ほめんなはい…っ!」
『俺がパンダなら、雛乃はリスだな。ちっちゃくて、ほっぺた摘まみやすいし。』
「ひっ、ひどいーっ!」
千尋くんの手が離れた瞬間に摘ままれたほっぺを片手で押さえていると、千尋くんがいたずらっ子のように笑った。