身長差43センチのふたり。
この着信音…。
携帯電話を取り出して着信相手を確認しなくても分かってしまう。
だって、このメロディは…1人にしか設定していなかったのだから。
『――雛乃ッ!』
「…っ!?」
恐る恐る携帯電話をカバンから取り出していた瞬間だった。
千尋くんじゃない私を呼ぶ声。――3年ぶりに聞く、懐かしい声。
「……和樹…っ?」
『良かった…!会えた…っ』
私のマンションの方から駆け寄ってきた彼を見た時、これは悪い夢じゃないかと思った。
和樹が何で…何でここにいるの?
何しに来たの?
固まっている私は、目の前で息を整えている和樹をただただ呆然と見上げることしかできなかった。