身長差43センチのふたり。
『私、ハンバーグ定食がいいー。』
お昼ご飯を求め、やってきた近所のファミレス。
まぁ、高校生の行くとこなんて、ファーストフード店かファミレスか、そんなものだ。
4人席のソファに座った私達の前に置かれたメニューに、一番に飛びついた目の前の席にいる華ちゃんは即決でハンバーグ定食にロックオンした。
『俺、チーズインハンバーグ。』
『じゃぁ俺は、和風おろしハンバーグにしようかな。……小日向は?』
隣にいる高遠くんから渡されたメニュー。
高遠くんが手にするとちょうどよく見えたメニューのサイズは、私が手に取った瞬間にとても大きく感じられた。
高遠くん……手もおっきいんだ。
『小日向?』
「えっ…あ、じゃぁ、オムライス!」
ボーっと高遠くんの手を見ていたのがいけなかった。
呆然としていた私を見て不審に思った高遠くんが、ずいっと私の方に顔を近づけてきたから、胸のドキドキが治まらない。
条件反射で出てきた私の大好物・オムライスに、このピンクな心を落ち着かせた。
『おっけ。』
テーブル脇に置いてあった呼び鈴を高遠くんが押すと、店内にピンッポーンという音が鳴り響いた。