身長差43センチのふたり。
『はいっ、お待たせいたしました。ご注文を承ります。』
鳴らして3秒で私達のテーブルにやってきた店員さん。
すごい、と鮮やかすぎるその俊敏さに、素直に感動。
『ハンバーグ定食1つ、チーズハンバーグ定食1つ、和風おろしハンバーグ定食1つ、オムライス1つ…あと、ドリンクバー4人分で。』
『はい。ご注文を確認させていただきます。』
スムーズに店員さんに注文していく高遠くんを、マジマジと観察していた私。
いつもやってるのかな。気が利くなー…。やっぱり、高遠くんは頼りになる。と独りでに納得する私。
そんな私を華ちゃんと久松くんが見ていて、2人してニヤケてるなんて、この時の私は知らなかった。
『では、失礼いたします。』
笑顔で去っていった店員さんを見送っていると、上から私を呼ぶ声。
『ドリンク持ってくるけど…何がいい?』
気の利く高遠くんは、どこまでも人がいいらしい。
私のドリンクまで持ってきてくれようとするなんて…、しかも当然のように。
本当にいい人だ。
「そんな、気遣ってくれなくてもいいよ。ドリンクくらい私で――」
『宏太、私カルピスね。』
高遠くんにそこまではさせられないと、高遠くんの厚意を断っていると、前方から遮る華ちゃんの声。
『…了解。せっかくだし、小日向も高遠に甘えれば?』
「えっ…あ、じゃぁ…オレンジジュースを。」
『了解。』
久松くんに言われて、なんだか断る空気じゃなくなった私は、素直に高遠くんに甘えてしまった。