身長差43センチのふたり。
『――雛乃、もう時間やないと?』
「あっ、やばっ!」
ゆったりと朝食を食べている場合じゃなかった。
気付けば7時過ぎ。
千尋に怒られちゃう…っ!
『高遠くんと仲よくやってるみたいで、お母さん嬉しい限りだわぁ~!』
「お母さんっ、そんな茶化さんとって!」
『優しそうやもんな~、高遠くん。お兄ちゃんはなんだか娘を嫁に出すみたいで複雑やわ。』
「お兄ちゃんまで!嫁って…まだそんな先のこと…っ!」
朝から何を言ってくれてんだろうか、この兄は。
キッと睨みあげると、本当に遅れるぞと言われてしまって、私は自分の部屋にある通学カバンを掴む。
「いってきますっ!」
『『いってらっしゃ~いっ』』
朝から元気な2人に見送られながら私は千尋の待っている駅へと急ぐのだった。